荒井さんが津村さんにお声掛けしたのはなぜ何でしょうか?また、どんな印象をお持ちになっていましたか?
荒井:Z世代に、今アーカイブとかっていうものがブームになっていまして、私の取り扱ってる古着屋でも類に漏れず扱っています。津村さんのFINAL HOMEもその一つで、もちろん自分自身でも所持していて、洗練されててかっこいいとずっと思ってました。
FINAL HOMEを着るきっかけはスタイリングとかそういうものだったんですけど、そこから、 津村さんの本を買わせていただいたりとか、津村さんが作られた後とかっていうのをずっと見ていたりとか、調べていくうちにお会いしてみたいなと勝手な思いで(笑)。僕のすごいエゴで直接instagramでDMをお送りしたんですけど、1週間ぐらい返事なくて・・・(笑)
津村:いや、なんとなく覚えてるんだけども。なんか素通りしたのか忘れたのかわからないけど・・あまり真剣には見てなかったんですよ、 はい。改めて見返してみたら「あ、なるほどなるほど」と・・・で、ま、年齢的にも学生に近いってのもあって、今、教壇に居るので学生とはいろんなやり取りはするし話もするから違和感はないんだけど、あまり縁がない大阪、そこに住んでいて、美大でもないし、そういう人がどう思ってんだろうと思って、はい、 じゃあ、1度、ちょっと話してみようかなっていうところはありますよね。
うん、ほら、最初から、その、ファッションに行きたいとか、アートから入ってるとかだったら、ま わかるけど、そうじゃない人がどんな接点持って、こちらに興味持つのかなっていうのは僕の勉強にもなるかなって部分もあったと思います。
あと、単純に好奇心がすごいあるなと、服屋さんがアーティスティックなことをされてるっていうのが僕からしたらすごい衝撃的だったんですよね。で、何をしたいのかなっていうのもあって
荒井:そうですよね。(笑)結構、自分の中では あんまりまとまりきらない文章で、すごい感情的に送った記憶があったので、確かにそれは わかりづらいやろうなという
津村:まあ、だから、偶然って言えば偶然なのかもわかんないけど、まあ、偶然に任せてみるのもいいかな、みたいなことは 思いましたよね
荒井:あ、本当ですか。ちょうど、多分、1週間ぐらい経ってからお返しいただいて
津村:たまたまだけど、ちょうどいいタイミングだよ
荒井:ですね。もう、なんか僕は、あ、終わったみたいな感じで思っていて、僕が事務所に帰ってきたところでお返事頂きまして、その瞬間を覚えてます。
津村:いや、そうですか。そんな大層なもんではないのに(笑)
荒井:もう、ほぼ1パーとか0.5パーみたいな確率で返ってくるぐらいの感覚だったので嬉しかったです。
津村:インスタとかSNS通じて抽象的な感じで製品コラボレーションしましょうというのは、ほぼなくてですね。インタビューとかの依頼はあるんだけどね。で、そんな感じの抽象的な話がね、まあ、学生との授業の中でも、割と抽象的な会話が多いから、その延長上で抽象的な話してもいいかな、みたいな感じではあったかな。うん
荒井:え。実際、どうでした?
津村:まー、古着屋っていうね、もう商売なされてるじゃないですか。その部分では、しっかりしてるなっていうか具体的だなと思いましたよ。目的がはっきりはしてるなと、学生だったら、まず、何をやりたいかすら、わからない訳だから。方向はわかるけど、動き出してはいないから、抽象的な話ばっかりになってる訳。荒井さんはごみ拾いっていう行為が存在していたから。でも、その行為から、話は繋がりやすいなと思って
荒井:そうですね。で、その話をした中で赤瀬川原平の東京ミキサー計画のお話をして頂きましたね
津村:ちょうど、ゴミ拾いって格闘家がゴミ拾いやったりとか、新宿の歌舞伎町あたりで、 ゴミ拾い活動をやるホストたちがいるとか、そういう話も出てきてる時だから、あ、大阪でもそういうのあるんだなと思って。でも彼らは多分ハイレッドセンター知らないだろうな、 うん。で、話す機会もないから、実は昔もそういうのはあったよっていう話を被せてみたんだね
荒井:そうですね。もうすでに60年代にこんなことされてたんだなと驚きました。僕らの中ではゴミ拾いは新しいものと感じてたんですが・・・
津村:そもそも、なんでゴミ拾いを始めたんですか?